エピジェネティック異常により不活化されたがん抑制遺伝子を、エピジェネティック異常を取り除くことにより元に戻すことが出来る。毒性が比較的少なく、有効性が高いエピジェネティック薬として、一部は、米国・EU・日本で許可されている。これらの薬剤は、骨髄異形成症候群や一部の白血病における有効性が確認されている。また、これら3つの薬剤以外にも、世界的には多くのエピジェネティック薬が開発途上にある。
詳細は、我々が編集した成書を参照頂きたい(別冊医学のあゆみ クリニカルエピゲノミクス・医歯薬出版株式会社)。
近年、がんでは非常に多数の遺伝子がDNAメチル化により不活化されていることがわかってきた。そこで、特定の遺伝子を再活性化するよりも、それらを同時に再活性化する方が有効な可能性がある。我々はDNA脱メチル化剤により複数の遺伝子を再活性化し、がん細胞を正常な細胞の性質に近づけるという治療方法の開発に、神経芽細胞腫を対象に取り組んでいる。
また、DNAメチルトランスフェラーゼ阻害剤(DNMT阻害剤)の臨床評価および新規薬剤の開発を目的に、DNMT阻害剤のアッセイシステムを新規構築しており(Okochi-Takada et al., 2016、大原薬品工業株式会社)との共同研究のもと、現在臨床で使われている薬よりも毒性が低いと予測されるDNA脱メチル化剤を同定しました (Hattori et al, 2020)。