CpGアイランドメチル化形質を示す神経芽細胞腫では、多数の遺伝子がメチル化により不活化していることが予後がよくないことに深く関与していると考えられる。そこで、DNA脱メチル化剤により、複数の遺伝子を同時に再活性化する治療が有効である可能性がある(図)。我々は、神経芽細胞腫細胞株を用いて、DNA脱メチル化剤の5-アザデオキシシチジンと、高リスク神経芽細胞腫に対して有効性とされる13-シスレチノイン酸の併用が、複数の遺伝子の脱メチル化、及び、13-シスレチノイン酸による分化誘導の増強に結びつくことを示した(Abe et al., 2008)。最近、ヌードマウスの皮下移植腫瘍モデルを用いて、合成レチノイドであるタミバロテンとの併用によるより強い分化誘導効果を示し、体内でのこの治療の有効性を証明した(Hattori et al., 2021)。
