2.PGME法(Phenylglycine methyl ester法)

楠見武徳先生らによって開発された、光学活性な3級炭素に結合したカルボン酸の絶対配置を推定する方法。光学活性な3級炭素に結合したカルボン酸に、(S)-および(R)-PGMEを縮合させて生じる(S)-および(R)-PGMEアミドを得る。PGMEアミドにおいて、アミド結合、2つの不斉炭素、カルボン酸のα-水素、エステル部位が同一平面(PGME平面)に存在する。



改良Mosher法同様に、ベンゼン環の異方性効果により(S)-PGMEアミドでは2,3,4,5,6位プロトンが高磁場シフトし、(R)-PGMEアミドでは7位プロトンが高磁場シフトすると考えられる。(S)-PGMEアミドから(R)-PGMEアミドのケミカルシフトを引いた値Δδは下図のようになる。



下図のようにPGMEアミドを配置させたとき、右側の置換基のΔδ値は正、左側の置換基のΔδは負になる。