食生活の乱れは、肥満や糖尿病、脂質異常症といった生活習慣病をひき起こし、生活習慣病は様々な合併症の原因になります。薬物治療学研究室では、摂食行動や血糖値の調節メカニズムを明らかにし、食生活の乱れがどのようにその調節に影響を与えるか研究することで、それらが生活習慣病をひき起こすメカニズムを明らかにしています。
一方で、糖尿病などにおけるエネルギー状態の異常は、中枢神経に影響を及ぼし、精神疾患の発症に繋がる可能性が指摘されていますが、そのメカニズムは明らかではありません。精神疾患は、それ自体が患者の生活に大きな影響を及ぼすだけでなく、糖尿病などの適切な治療の継続を難しくします。そこで、糖尿病などの代謝性疾患が精神疾患をひき起こすメカニズムを明らかにすることを目的に研究をすすめています。
以上のような研究により、生活習慣病の成因や、それに伴う精神疾患の発症原因を明らかにし、生活習慣病の予防や改善方法の提案をめざします。
摂食調節に関する研究
過剰な量の食事を続けると肥満になることから、食事量を適切に保つことは肥満の予防に有効です。また、食事量を制限することで肥満の改善を目指せます。摂食行動の調節には視床下部が重要であることが知られていますが、摂食行動を調節する中枢神経機構の詳細は明らかになっていません。また、最近では、視床下部以外の脳部位も摂食行動に関与する可能性が指摘されていることから、私たちの研究室では、摂食行動を司る脳内神経ネットワークの解明を目指して研究を進めています。
血糖調節に関する研究
血糖値が慢性的に高い状態が続くと糖尿病と診断されます。血糖値は末梢組織での糖利用と肝臓での糖産生のバランスにより保たれており、そのバランスが崩れることで高血糖状態になると言われています。一方で、中枢神経に作用するオランザピンなどの精神疾患治療薬が副作用として血糖値を上昇させることが知られ、血糖調節において中枢神経も重要である可能性が考えられます。そこで私たちの研究室では中枢神経により血糖値がどのように調節されるのか研究しています。
生活習慣病による精神機能の変化に関する研究
糖尿病患者ではうつ病や認知症などの精神疾患の罹患率が高いことが報告されています。このことから、糖尿病などの生活習慣病が中枢神経機能に影響を及ぼし、精神疾患をひき起こす可能性が考えられますが、糖尿病などの生活習慣病が中枢神経機能に影響を及ぼすメカニズムは明らかになっていません。そこで私たちの研究室では、肥満や糖尿病がどのように中枢神経機能に影響を及ぼし、精神疾患をひき起こすか明らかにすることを目指して研究しています。